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リアルジョブレポート

白木 正浩


職種経歴 Career Step
2005年 商品開発部 PEFC開発グループ FPS開発チーム
 
MY JOB
東京ガス独自の技術をさらに進化させ、エネファームの市販化を実現する

家庭用燃料電池「エネファーム」は、簡単にいうと、都市ガス(主成分:メタン)から触媒を用いた化学反応によって水素を取り出し、酸素と反応させることで電気と熱を作り出すものです。私はその中で、水素を取り出す「改質器」の開発を担当し、主に触媒の評価に関する研究を行っています。
私が入社した時点で「エネファーム」の技術はおおよそ完成していました。ただし、当時はまだ3年相当の耐久性しか確保できておらず、10年間運転するのに必要な触媒の量を設計することが私たちの課題でした。触媒が劣化するには様々な要因があり、それらの積み重ねで耐久性が左右されるので、何十も考えられる劣化要因を抽出し、それぞれがどれだけダメージを与えるのか、一つひとつ検証していくしかありません。しかも、家庭用燃料電池は、これまでの燃料電池と異なり、起動、停止を繰り返す動かし方をするもので、世の中には前例はおろか、信頼に足る実験方法すらないのが現状でした。自分たちで考えた実験を進める一方で、そこから導き出された結果の妥当性を論理的に説明するための根拠を考える。改良、開発という作業は、とても地道な作業です。
学生時代、私は超伝導工学を専攻していたので、入社当時は、触媒に関する知識も実験設備の使い方も、何も知らない状態でした。そこから一つひとつ学び、現在では後輩を指導できるようにもなり、研究者としての成長を感じています。また、社会人になってからは、スケジュールに対する意識も大きく変わりました。大学の研究室では、限られた期間で精一杯研究を進めれば、とりあえず卒業することができます。でも、会社に入るとそうはいきません。商品としての発売スケジュールは決まっているので、期間内に「結果」を出すことが必須。大きなプレッシャーを感じながらも、誰もやったことのない技術に挑み、お客さまに広く使っていただける商品を世の中に出していく仕事は、とてもやりがいのある仕事だと感じています。


MY STORY
新製品としての発売を目指して、耐久性の高い触媒量を模索

家庭用燃料電池の試作機が首相官邸に設置されて話題になったのは、私が入社する直前の2005年2月のことです。当時の耐久保証年数はわずか3年で、しかも一般のお客さまに受け入れていただくにはほど遠い高価なものでした。私たちに与えられた課題は、一般のお客さまに向けて発売できる商品にするために、触媒を10年以上耐久性のあるものに変えること。それも1年範囲内に、という期限付きです。触媒はなぜ劣化するのか、どう変わるのか、そして10年後を模擬した触媒を作るにはどうしたらいいか。100台近くある実験装置をフル稼働させ、膨大な実験データを集める日々が続きました。データを一つひとつ確認し、その実験をまだ続けるのか、止めるのか。代わりに新しいものに取り組むのなら、その優先順位はどうするのか。分析し、仮説を立て、検証する、ということの繰り返しです。お客さまに販売する商品として世に出す以上、不具合を見逃すことはできません。「たぶん」など問題外だし、「きっとこうなる」というのなら「きっと」の裏付けをとることが必要です。実験や議論が深夜まで及ぶことも多々ありましたが、チーム一丸となって妥協することなく開発に臨むことで、2006年度末には技術的な開発が完成。その後はメーカーにおける量産化検討、試作、フィールド試験などを経て、2009年4月、「エネファーム」として一般発売が開始されました。そこまでの道のりはとても苦しいものでしたが、自分たちが開発した技術が商品に搭載され、お客さまの手元に届けられるという事実に、とても大きな達成感を得ました。
現在は、商品価格を市場ニーズに合ったもののするために、触媒の選定をイチから見直し、構造を見直すなど、新たなブレイクスルーに取り組んでいます。将来的には、エネファームをもっと深く知るために、システム全体を見る仕事もしてみたいですね。また、ここまで築いてきたエネファームの技術を別の方向性で展開してみたい、という思いもあります。現在の課題に取り組みながら、少しずつ自分の視野を広げていきたいですね。

1DAY SCHEDULE
06:00 「起床」
結婚を機に引っ越して家が遠くなったので、日々健康的に早起き!
06:15 「朝食」
午前からしっかり仕事をするために、朝ごはんはしっかりと。
07:00 「自宅を出発」
通勤電車に揺られながら、一日の仕事の順番をじっくりと考える。
08:30 「出社」
まずはメールのチェック。急ぎの案件がないことを願いながら…。
09:15 「ミーティング」
実験を手伝ってくれる派遣社員さん達と一日の仕事の流れをチェック。仕事は安全第一!
10:00 「実験」
自分でも手を動かして実験。長期耐久試験を実施した触媒の分析を。
11:55 「昼食」
少しフライング気味に社員食堂へ。たぬきソバとサラダを食べながら、チームメンバーと前日の飲み会の話で大盛り上がり。
13:00 「打ち合わせ」
触媒メーカーに評価結果をフィードバック。改良に向けた熱いディスカッション!
15:00 「実験室で一休憩」
派遣社員さん達と一息つきながら、実験の進捗度合いを確認。
15:30 「資料作成」
明日の午前のメーカー打ち合わせに向けて、データまとめをしてリーダーと議論。
17:30 「試験計画」
派遣社員さん達に明日の指示を出しながら、更にその先の流れを考えて…。
19:00 「終業」
制服からスーツに着替え、頭の中をプライベートモードに切り替える。
21:00 「帰宅」
妻と一緒に晩御飯を食べながら、週末の予定をあれこれ相談。
22:00 「団欒」
テレビを見ながらビールをぐびり。ウイスキーを味わいながら、ベースを弾いたりして。
24:00 「就寝」
ほろ酔いで布団にダイブ。話しながら眠りに落ちて…。
仕事選びのヒント HINT OF WORK CHOICE
この仕事を選んだ理由
元々省エネ技術に強い関心があったのに加え、新規技術の探索、確立、新商品の開発を行いたいと思っていました。省エネ技術に携わりながら新商品の開発ができる東京ガスは、ほぼ希望通りの仕事です。
必要な資質やスキルは?
学生時代に得た知識、経験ももちろん重要ですが、仕事をしていく中で学ぶことが圧倒的に多いと感じています。そういった意味で、いつまでも向上心を持ち続けることが重要だと思っています。
合っている人はどんなタイプ?
エネルギー業界の内外の状況は、目まぐるしく変化していきます。そういった点において、時々刻々と移り変わる環境、突発的な課題に、素早く柔軟に対応できる人。また、関係者が多い中でうまく周囲を巻き込んでいける人が合っているのではないでしょうか。
入社前と後ではイメージのギャップはある?
正直、想像していた以上に忙しい日々を送っています。その日々の中で、仕事に関係ある、ないに関わらず、知識の引き出しが非常に多い人、仕事の「デキる」人がとても多いことにも驚きました。
周囲の「デキる」先輩達から影響を受けながら、日々成長させてもらっています。
就職活動中の学生のみなさんへ

就職後、定年を迎えるまでに30年超の人生を会社で過ごすことになります。「好きこそ物の上手なれ」と言うぐらいですので、結婚相手を選ぶのと同じぐらい慎重に、じっくりと自分と向き合い、やりたいことが何なのかを見極めてください。30年とはいわないまでも、せめて10年、15年後の自分の姿をイメージしながら、会社を選んで欲しいですね。

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