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PROJECT STORY

PROJECT STORY

日本初となる米国シェールガス由来LNGの
長期契約による受け入れ
供給と価格の安定化を目指す

コーブポイントLNGプロジェクト

日本は世界最大のLNG(液化天然ガス)輸入国。これまで日本は東南アジアや中東、豪州、ロシアなどから輸入してきたが、米国のシェールガス革命がこの構図を大きく変えようとしている。

東京ガスは住友商事と共同でいちはやく「米国メリーランド州コーブポイントLNGプロジェクト」を立ち上げた。住友商事との合弁会社STコーブポイント社(STCP)を設立し、米国のシェールガスからのLNG生産をスタート。2018年5月には東京ガス根岸LNG基地にその初めてのLNG船が到着した。これは長期契約に基づく米国シェールガス由来のLNGの日本初の受け入れとなる。 世界最大の天然ガス生産国となった米国からの長期的なLNG調達を開始することで、エネルギーの安定供給と環境に優しいエネルギー供給に貢献する。そこで、本プロジェクトを牽引した3人に話を聞く。

「米国メリーランド州コーブポイントLNGプロジェクト」は、日本のエネルギーの安定供給と環境にやさしいエネルギー供給に貢献する大規模プロジェクト。東京ガスは住友商事との合弁会社STコーブポイント社(STCP)を設立。STCPが買い付けた原料を、米国有数の電力会社であるドミニオンエナジー社の天然ガス液化プラントでLNG化する。生産された年間230万トンのLNGのうち140万トンを東京ガスが引き取る。

PROJECT MEMBER

佐々木 裕文

東京ガス
原料部 原料調達第二グループ

秋元 健吾

東京ガス
海外本部
東京ガスアメリカ(STコーブポイント出向)

岩佐 大輔

東京ガス
原料・生産本部
扇島LNG基地 操業部 製造グループ

今回のプロジェクトで日本へのエネルギー供給は
どのように変わるのでしょうか?

佐々木 コーブポイントLNGプロジェクトをはじめとする北米からのLNG調達が開始されることで、日本へのLNG(液化天然ガス)供給は大きく変わります。これまで日本は、LNGの輸入を東南アジア、中東、豪州、ロシアなどから行ってきました。このたび、コーブポイントLNGプロジェクトから、20年という長期契約で日本で初めて米国からシェールガス由来のLNGを受け入れることになりました。本プロジェクトの始動で、東京ガスへの供給源は6カ国13プロジェクトに増えました。供給先を多様化することは地政学的なリスクを分散し、エネルギー供給の安定化に貢献できる、社会的意義のあるプロジェクトと考えています。

秋元 私はSTコーブポイントに出向しています。本プロジェクトではLNG調達で3つの多様化を推進します。
1つめは、「商流の多様化」。これまではガスの受け入れ先(仕向先)が決められていました。しかし、本プロジェクトでつくられるLNGは仕向先が自由なので、自社で使うほかに他社への販売も可能です。2つめは、「価格の多様化」。コーブポイントからの調達は価格決定スキームがその他のプロジェクトと異なります。3つめは、佐々木さんもおっししゃっていた「供給源の多様化」。調達先が増えると、供給の安定化を進められます。

岩佐 私は扇島LNG基地で、本プロジェクトのLNGを受け入れる担当です。実は、LNGの熱量は産地によって異なります。米国のシェールガス由来のLNG受け入れは日本初なので、LNG船から基地に安全に受け入れるために、シミュレーションや実機試験を行いました。こうした受け入れノウハウの蓄積はとても重要で、新規参入企業がすぐにできるわけではありません。こうした面でも、扇島LNG基地は当社の経営基盤を支えるのに貢献しています。

日米の企業が参画する大規模プロジェクトで
皆さんはどのような役割を果たしていますか?

佐々木 運転開始前はLNG調達に必要な様々な契約の締結や業務フローの整備を行い、開始後は運用開始前には想定出来なかった課題の解決を行ってまいりました。契約書は文字で条件を記載しているため、その解釈について契約当事者間で齟齬が発生したり、契約書上で詳細なルールが規定されていなかったりすることがあります。プロジェクト立ち上がり段階では、このような課題について、契約当事者間で話し合い、その解決方法を合意し、必要に応じて契約書の改訂を行ったり、運用ルールを新たに定めたりします。多様な関係者の合意を取りながら、細部まで考え抜いて契約を進めていくのは難しいものがありました。しかし、日々起こる困難を乗り越えて、20年という長期にわたる安定的なLNG調達を実現するための基盤を整備できたと思っています。

秋元 私のSTCPでの主な業務は、LNG加工を委託するドミニオンエナジー社との協議や調整、LNG液化配船計画の作成、STCPの業務基盤の整備です。こう説明すると、スムーズに業務を進められるオフィスワークの印象がありますが、実際はまったく違います。ドミニオンエナジー社は米国の企業ですから、考え方や企業文化、働き方が異なります。しかし、考え方や文化の違いも、相手を理解し、誠実に自分の考えを丁寧に伝えることで乗り越えられました。

岩佐 基地では、LNG船が-162℃に冷やされたLNGを運び入れ、基地のタンクに移します。このLNGを気化し、加工して供給を行っています。本プロジェクトによる日本初の受け入れは7万トン。一般のご家庭の年間都市ガス使用量の約22万件分に相当します。東京ガスで年間約140万トンを受け入れるという大規模プロジェクトですから、多数のLNG船が傭船・建造されました。私は、こうした船が基地に入港可能かどうかの検証にもあたりました。当基地では周辺の火力発電所にもガスを供給しており、安心・安全な安定供給が使命です。日本初のことですから、事前に検証や実機での確認を行いました。

プロジェクトを通して発見した
やりがいや使命とは?

佐々木 本プロジェクトが生産を開始したのは、米国の貿易赤字解消のための政策が取りざたされた時期であったこともあり、日米両国で高い注目を集めました。受け入れ開始に伴い記念式典を開催した際には、ニコラス・ヒル在日米国大使館経済・科学担当公使、中根一幸外務副大臣、平木大作経済産業省政務官、黒岩祐治神奈川県知事、林文子横浜市長など行政機関の方々や、ドミニオンエナジー社のトーマス・ファレル社長をはじめとする関係企業の方々にご臨席賜り、盛大にお祝いして頂きましたし、メディアにも取り上げて頂きました。このような歴史的瞬間に本プロジェクトを担当できたことに誇りを感じますし、本プロジェクトは、当社のみならず日米間のエネルギー分野の関係強化に寄与し、日米間の貿易関係を促進させる効果もあると期待しています。苦労の連続ですが、やりがいの大きな仕事です。

秋元 コーブポイントから輸出されるLNGは、日本のエネルギー安定供給を強化するだけでなく、日本以外の国にも販売できます。つまり、競争が激化するLNG業界において、当社の競争力と存在感をグローバルに高められます。個人的には、米国企業や企業文化の異なる商社と協業した経験は、やりがいを感じるとともに、今後、国内外で働くうえで一つの成功体験として生かしていけると考えています。

岩佐 米国のシェールガス革命は、これまで中東や東南アジア、オーストラリアに依存してきた日本のエネルギー供給の構図を大きく変える可能性を秘めています。その第一歩が本プロジェクトであり、その実現を牽引してくのが当社の使命です。こうした北米LNGプロジェクトの拡大という、社会的意義の大きいプロジェクトに直接かかわることができて、非常にやりがいを感じています。

これからの自分、
これからの東京ガスとは?

佐々木 LNG業界を取り巻く環境は、劇的な変革期を迎えています。ガスの生産地が多様化する一方で、中国やインドの天然ガス需要が急増しています。そのほかにも、世界中での再生可能エネルギーの普及拡大、各国の原子力発電政策、中東湾岸情勢の油価への影響、小売市場での自由化……と、大きな変化の波が押し寄せています。こうした状況の中、当社のLNG調達にとって今後重要となるのは、世界各国の様々な業態の企業とのアライアンスだと思っています。私の夢は、このような取り巻く環境の変化に伴う様々なリスクを抑制し当社の利益を拡大するような歴史に残る画期的なアライアンスを実現することです。

秋元 当社では海外事業に携わることや海外で働く機会が増えています。本プロジェクトのようなLNG生産と調達に関わる仕事から、海外の発電所建設やガス田開発まで多岐にわたります。私自身がSTCPで得た経験を振り返ってみると、海外での新しい領域での仕事では思い通りに進まないこともありますが、プロジェクトを推進するための思考力と実行力が身につき、大きなやりがいと自身の成長を実感できます。いまは本プロジェクトのまっただ中にいますが、将来的には、新しいLNGプロジェクトの立ち上げに挑戦したいと考えています。

岩佐 都市ガス供給のイメージが強いために、当社は日本のみで事業を行っているイメージがあるかもしれませんが、海外でのLNG基地建設支援も展開しています。新興国のエネルギー需要増大にともなって、当社の基地建設の高度な技術、安心・安全で信頼性の高い運用のノウハウを求める国やエリアが多いからです。今回、記念すべき日本初の米国シェールガス由来のLNG受け入れに携わることができました。扇島LNG基地の運営で得た知見を生かして、海外での基地建設などにも関わってみたいです。

PROJECT STORY

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コーブポイントLNGプロジェクト

日本初となる米国シェールガス由来LNGの
長期契約による受け入れ
供給と価格の安定化を目指す